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九州チャレンジ

【報告者 前田究(鹿児島県)】
大会名:第13回九州チャレンジ陸上競技選手権大会
日時:2010年3月21日(日)
場所:熊本県民総合運動公園陸上競技場 KKWING

 前日、同じ会場で行われたワークショップは暴風雨に見舞われましたが、大会当日は好天に恵まれました。風は始終2m前後吹き、午前中は風が少し冷たく感じました。
 昨年は投てき2種目にエントリーしましたが、今年は2月の駅伝に出場したこともあり、円盤投のほかに、久々にトラック競技にも参加しました。

 先に行われた円盤投は、昨年ジャパンパラリンピックで記録した14m26を上回ることが目標でした。大会に向けて自分で練習用の円盤を購入し、数回ながら技術練習も行いました。しかしながら、日常用車いすで投げるために投てき動作のテークバックで車いすが動いてしまい思いきり投げられないという問題が残ったまま大会に臨みました。大会はKKWINGの投てき競技場で開催されましたが、ジャパンパラリンピックとは異なり車いすの固定装置が無い通常のサークルでの競技でした。
 車いす選手は3回連続で投てきし、ベストエイトに入るとあと3回の試技が与えられます。今回は同じ障害クラスの選手がいなかったので、必然的に6回のチャンスがあります。1回目は力んでリリースが遅れてファール。2回目は丁寧にいきすぎ失敗。3回目に14m06とまずまずの記録がでました。4回目から6回目は、3回目の記録を超えることが出ませんでした。車いすが動く状況ながら自己記録に近い投てきができましたが、技術を高め、投てき台などを工夫しないと向上は見込めないと感じました。

 午後からの1500mは、2組に分かれたタイムレースでした。1組目は日本のトップ選手が顔を揃える豪華レース。私の走る第2組は、自己大会記録が3分39秒までの選手ながら九州身体障害者陸上競技協会の理事長、副理事長、事務局長が顔を揃える、ある意味豪華なレースとなりました。
1組目を走るトップランナーのフォームを目に焼きつけて、いよいよ出発。スタート直後、私は少しでも見せ場を作ろうと、駆け引き抜きでハンドリムをたたきました。なんとなく一人飛び出したような気はしましたが、とりあえず行けるところまで行こうと夢中で走りました。しかし完全にオーバーペースだったので徐々にスローダウン。後方からハンドリムをたたく音が近づいてきます。残り1周を前に山本行文選手に抜き去られ、ついていくこともできません。残り150mで松浦選手にもかわされて2組の3位でフィニッシュしました。記録は4分26秒34。バリバリ走っていた頃に比べると全然及びませんが、久しぶりのトラック競技は楽しく、良い刺激になりました。大きな声で声援を送ってくれた世界の廣道選手に、レース後「ナイスファイト!」と声をかけてもらったのが何より嬉しかったです。


【事務局取材】
今回は、112名のエントリー選手が、それぞれの種目に、大会の名称どおり自己記録更新への「チャレンジ」を試みた。
九チャと言えば、「天候が悪い」と多くの選手の脳裏にイメージが焼きついてしまっていたが、今年はそのイメージを払拭するかのような良い天候に恵まれた。選手の日頃の努力ももちろんの事だが、その好天も幸いして、2011年に開催される世界選手権のA標準記録を突破した選手をはじめ、6個の日本記録更新と、16個の大会新記録が生まれた。
また、当大会の目玉、いずれの出場選手にもチャンスのある「九チャ自己記録更新Tシャツ (RECORED BREAKERTシャツ)」が30枚以上も、選手に贈呈された。
今回の好天気と好記録によって、選手の間の九チャのイメージが、良い方に変わっていけば嬉しいのだが。
大会開催は、財政面など厳しい状況におかれているが、選手たちにとって、貴重な「目標」であり、日頃の努力の「発表の場」であり、自分自身を「アピールできる場」でもあるので、大会の存続を願っている。また、選手には、より多くの選手が集い、楽しく参加していただきたいと切望している。

【撮影:SNIPES KAWAKAMI&MIZUNUMA】


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