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2010 スイス Track Meeting & Swiss Open Nationals 大会

〜福岡〜洞ノ上 選手(T54) ■オフシャルサイトhttp://kotahokinoue.com/
日時 :スイス トラックミーティング 2010年6月24日   スイス オープンナショナル 2010年6月26,27日

場所 :スイス アーボン

結果 :
1500m 9位 世界選手権A標準突破
5000m 6位 日本記録更新 世界選手権A標準突破
10000m 5位 日本記録更新 世界選手権A標準突破

 今回のスイス遠征は、2011年1月21日〜30日に、ニュージーランドで行われる世界選手権への切符を手にすることが目標のひとつでした。
世界選手権に出場するためには、IPC(国際パラリンピック委員会)が定めた標準記録(A・B)を突破することが必要です。
その上で,
@ 1種目につき、1カ国3人までのエントリーしか出来ないので、A標準記録突破かつ国内3番目以内のタイムが必要
A 身体障害者陸上競技連盟の予算等の都合によってトータルの代表人数が決まるので、A標準記録突破者が複数名いる場合には、入賞の可能性が高い選手が優先して選出される
といった条件も加わります。なので、複数の種目でA標準記録を多く突破している選手や、世界ランキングの上位の選手が、世界選手権の代表に選出される可能性が高くなります。
今回のレースでは、各国の選手も勝負よりタイムを出すことを狙っていたので、必然的に高速レースとなり、世界新記録&日本新記録が多くでる結果となりました。私も、思うように順位は伸びませんでしたが、タイムを出すことに徹して走り、結果納得のいくタイムを出すことができました。

今回の大会で、世界の選手は物凄いスピードで進化していると感じました。 特にスイス、韓国の選手の進化には驚かされました。 韓国チームに関しては、12月のアジアパラリンピックに向け、9月から3ヶ月間の合宿に入るそうです。
今の現状を把握し、自主的に合宿を張っていかないと世界では戦えないと感じました。
自分を徹底的に追い込んでトレーニングを重ね、アジアパラリンピック、世界選手権ではメダルを獲得したいと思います!

大会結果は こちらのPDFファイルから



甲木秀典
[日本身体障害者陸上競技連盟 強化委員]
[九州身体障害者陸上競技連盟 賛助会員]

6月24日のTrack Meetingと26,27日のSwiss Open NationalsがスイスのArbonで開催されました。ともに車いすのクラスの大会で、今回はトラックレースのみ行われました。両大会の競技場がアスファルトとほぼ同じ感触の高速トラックということで、世界選手権参加標準記録の突破が期待され、各国から世界を代表する選手が集まりました。日本からは、松永仁志選手(T53)、廣道純選手(T53)、そして洞ノ上浩太選手(T54)の3名が出場しました。私は今回、日本選手のサポートをはじめ、海外選手の状況やサポート体制、大会運営方法など海外の情報を収集する目的で、日本身障陸連から派遣され選手と帯同することとなりました。
 天候にも恵まれ超高速トラックの条件の下、そして世界選手権まであと半年という中でそれぞれの選手が調子をあげてきており、A標準記録突破はもとより世界新記録の続出の大会となりました。800mに出場した廣道選手は自身の持つ日本記録を約1秒更新し、10000mで洞ノ上選手はそれまでの世界記録レベルの日本記録を出すものの、海外の選手はそれをさらに上回る世界記録をそれぞれ樹立しました。
男子T53のクラスにおける200mから800mまでの短距離では、特にスタートから100〜150mまでの差がそのままゴールまで行くといったレース展開でした。世界レベルの絶対スピードを身につける練習はもちろん必要ですが、早い段階で上手くスピードに乗せる加速スキルを磨き上げることが課題であると感じました。
また、1500m以上の種目では、残り1周あるいはラスト直線でのスパートのパワーが必要であり、さらには、そのラストスパートの爆発に備えてのレース運びやラップスピードの維持力も重要であると感じました。ハイスピードを維持しつつさらにもう一段階あげきれるような力を身につけていくことが課題であると思いました。
今大会はほとんどの選手が記録を狙いに参加しており、男子800m(T54)では、世界新記録で優勝した選手とは違う国の選手が1周目を、その優勝した選手をできるだけ引っぱっていました。レース後、優勝した選手はひっぱってくれた選手を盛大に称えていました。また、世界選手権のA標準をすでに突破している選手が、B標準あるいは標準突破していない選手を「レースでひっぱって記録を出す!」といった話しが選手同士で行われていました。こうしたことで、選手同士は刺激し合い、どんどん世界のレベルがあがっていくのだろうと思いました。上記の800mではアナウンスも知ってか知らずか、ラビット役になっていることを実況したりその選手を称えたりと、大会を盛り上げていました。さらに、参加標準までには届かずとも、今後伸びてくるであろう選手も各国から出場していました。
会場はスタンドがなく、日陰がほとんどありませんでした。日本チームはかろうじてできた建物の陰で戦いに備えていました。そこでレース間の休息やマッサージ、ビデオカメラでのレースの確認等おこなっていました。海外チームは大きな木の下でシートを引いたり、どこからかテントを出していました。またカナダやイギリスのチームはマッサージベッドを用意して、選手のケアを行っていました。その他の国もそれぞれ監督やコーチを数人帯同していました。ある国はテレビ局が取材しに来ていました。
以上のように海外のレース状況や各国のサポートを含めた力の入れ具合はとてつもないものだと肌で感じることができました。各国の動向や選手の特性の把握、トレーニング方法の確立や海外の情報をいち早く得るなど、選手自身はもとよりスタッフを含めて組織的に世界と戦う姿勢が必要だと実感しました。
世界選手権では今大会のようなスピードレースに加え、“勝負”のテイストが盛り込まれるため、レースでの駆け引きが予想されます。世界のスピード、パワー、駆け引き…など様々に対応していく力をさらに身につけていく必要があると思います。今回出場した日本の3選手とも、世界の進化スピードが…と緊張感を醸し出しながらも、その瞳には世界でメダルを取る!といった闘志に溢れていました。今後私も選手が大会で最高のパフォーマンスが出せるようなサポートをして、世界と戦っていきたいと思います!




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