洞ノ上選手ホームページ http://kotahokinoue.com/
日時:1月10日~1月27日
大会名:2016 Summer Down Under Series
場所:オーストラリア(シドニー・キャンベラ)
結果:キャンベラ1500m予選3位(3:04.57)
キャンベラ1500m決勝9位(3:05.25)
キャンベラ5000m決勝5位(10:40.39)
シドニー1500m決勝(3:05.46)
シドニー5000m決勝(DNF)
10kmロードレース(2位)
真夏のオーストラリアへ行ってきました。
本大会には10回ほど出場していますので、ここ数年お正月を満喫出来ていません笑。 しかし、寒い日本を脱出し、暖かいオーストラリアでトレーニング&大会に出場することは、2月末の東京マラソンや4月のロンドン&ボストンマラソンにも良い影響を及ぼします。
今年も、一昨年から実施している、シドニーオリンピックパークでの事前合宿(11日~18日)を行いました。 私を含むチームのメンバー5名+岡山の選手1名の合計6名で行いました。
オリンピックパーク内のクエストホテルに拠点を置き、キッチン付きの部屋で、皆で自炊を行いました。 パーク内の1周5km弱の周回コースをメインに、アップダウンやフラットでのインターバルトレーニングと、とても充実した合宿を行うことができました。
18日にキャンベラに移動し、20日・21日とトラックレースが行われました。
私は、1500mと5000mにエントリーしました。
私は、マラソンがメインなので、1年振りのトラックレースは、マラソンにはない緊張感がありました。 1500mの予選は、スタートからしっかりついていくことができ、ローテーションにも加わることができました。 しかし、その後、私の前の選手が中切れをしてしまい、それに対応が出来ず一緒に遅れてしまいました。
結果、前を行く選手2人に3秒ほどあけられての3位でしたが、無事に予選を通過することができました。 決勝では、予選のタイムが影響し、外側からのスタートでした。
ただでさえスタートが遅い私ですが、やはり良いポジションが取れず、9位という結果でした。
5000mでは、体が重く全く動いてくれず、私は6周ほどで集団についていくことが出来ずに落ちてしまいました。 そこからは一人で黙々と走り、トップに30秒ほど遅れての5位でした。 5000mで遅れるのは、これまであまり経験のない事で、とても動揺してしまいました。
2日間のトラックレースが終わり、翌日には大型バスで、選手みんなで3時間かけてシドニーに移動しました。 翌日は、事務局主催のメンタークリニックで、ジュニア選手や若手選手の指導を行いました。
24日はシドニーのブラックタウンでのトラックレースでした。
こちらも、キャンベラ同様1500mと5000mにエントリーしました。 キャンベラの走りを見直し、いくつか修正点を見つけて修正しレースに臨みました。 その修正がバッチリはまり、1500mではスタートから良いポジションを取ることができました。
※1500mのような短い距離では、スタート直後のポジショニングがとても大事になってきます。
結果は5位でしたが、この距離を主戦場としている選手のなかで、トップから0.64秒差の5位は、しっかり修正が出来ていると感じました。 その直後の5000mでは、大分国際時と同じトラックレバー(トラックのRを走行する際に必要なレバー)のトラブルで棄権しました。
トラブルの場所は、いつもと同じ場所のネジに原因があるので、そこのネジを交換しました。 今回の件は、八千代工業のエンジニアの方に報告し、トラックレバーの根本的な構造の変更をお願いし、石垣合宿までに対処してもらうことになっています。
マシンのトラブルがあったとはいえ、1500mでの走りに手応えがあったので、シリーズ最終日の10kmロードレースには、良いメンタルで望むことができました。
大会最終日は26日のオーストラリアンデーに行われる10kmロードレースです。 サーキュラーキーステーションをスタート・ゴールとする片道2.5kmのコースを2往復するコースです。
古き良き町並みが残る「ロックス」を駆け抜け、ハーバーブリッジをくぐり、オペラハウスを一望できるコースですが、そんな景色を満喫できるはずもありません。笑
私は、昨年このロードレースで日本人初優勝という快挙(自分で言っちゃいます・笑)を果たしましたが、得意の雨レースでしたので、ディフェンディングチャンピオンということではなく、チャレンジャーという気持ちで臨みました。 最大のライバルは、本大会9回の優勝を誇るオーストラリアの英雄クート選手です。
彼は、登坂が世界最速の選手で、このコースはゴール前に激しい登坂があるので、彼がもっとも得意とするコースです。 ちなみに彼は、アテネパラリンピック、北京パラリンピックマラソンの金メダリストです。ロンドンは銅メダル。 それと、アメリカのジョシュ・ジョージ選手。彼は、昨年の世界選手権ロンドン大会のチャンピオンです。 この二人が最大のライバルだと予想しました。
レースはスタートして、ハイペースでクート選手が引っ張る展開になりました。 私は、好調をキープしていたので、しっかりと対応することができました。
1kmほど走ると、後続が離れて私とクート選手の二人になっていたので、一気に引き離そうと、クート選手の前に出てペースを上げました。 そこからがむしゃらに漕いで後続を引き離しました。
3km辺りで、先頭をクート選手に代わってもらったところ、その代わる瞬間にクート選手がペースを上げて、それまでに力を使い切っていた私は、対応することが出来ませんでした。
そこからジワジワ離されてしまいました。
その後、5km地点で、後続の集団3名に吸収されてしまい、4人での2位争いへとなっていきました。 最後の上りで3番手からアタックし、前を行く二人を抜きましたが、後方から渡辺選手に抜かれてしまいました。 しかし、最後の直線で前を行く渡辺選手を交わし、鼻差で2位となることが出来ました。
ジョシュ選手や、ピエール選手、渡辺選手と、スプリンター相手に、スプリント勝負で勝てたことは、自信になりました。 結果、優勝は逃しましたが、それよりも積極的に自分の走りが出来たのは良かったと思います。
次はいよいよ本番の東京マラソンです。
クーと選手やジョシュ選手も来るので、とてもハードなレースになることは間違いありません。 しっかり調整して、最高の状態で挑みたいと思います。
10kmロードレースの動画です↓
http://wsnsw.org.au/sports/summer-down-under/
9分40秒辺りのクート選手の加速について行くことが、まず今後の課題ですね。
後続が一気に離れていくのがわかります。 この加速が今の私には必要ですね。