大会名: Singapore Marathon 2019
日 時: 11月30日

結 果: 優勝

文責:洞ノ上選手(福岡県)

 今年の最終レースとなる、シンガポールマラソンに出場しました。
 先日の大分国際で、肋骨を骨折してしまったため、出場するかぎりぎりまで悩みました。とにかく、栄養と休息に徹底した2週間でした。過剰摂取にならないように、ふだんあまり乗らない体重計にも毎日乗りました。肋骨に負担のない動作で、最小限の運動をこなしてましたが、2㎏ほど痩せてしまいました。
 受傷一週間後には、ハンドバイク(手で漕ぐ自転車)に乗れましたので、当初のくしゃみでの激痛から比べると、回復しているのを実感しました。
 レーサー(陸上用車いす)での練習は、肋骨への負担が少ないポジションに変更して、ローラーで10分くらい乗る程度でした。昨年のディフェンディングチャンピオンとして、大会側に招待していただいていたので、とりあえず参加の方向で進めました。
 現地に到着しても、不安はありましたが、受傷後はじめてのレーサーでのロード走は、悪路面で少し痛む程度で、登り坂は全く問題ありませんでした。
 昨年は、朝4時30分スタートで、暗闇でのレースでしたが、今年は、18時スタートとなり、まだ明るい時間帯でしたので、段差などは回避できました。
 肋骨への負担が少ないので助かりました。
 コースは、前半フラット、後半テクニカル、39㎞地点に大きな登り坂といった感じです。
 不安の中でのスタートでしたが、痛みもなく走ることができました。
 先頭集団は、8人で形成され、ユ・ビョンフン(韓)や、ジェイク(豪)による、ペースの上げ下げはありましたが、集団の後方でなんとか付いて行くことができました。チームメイトの渡辺が、21キロ地点からのテクニカルな連続コーナーで仕掛けたので、それに反応し、集団から二人で抜け出すことに成功しました。そこから先頭を交代しながらペースを上げて、後続を引き離すことに成功しました。
 そして、勝負は、日本人同士の骨肉の争いとなりましたw
 大分国際で負けているので、リベンジをしたいという気持ちと、肋骨への負担を最小限にしたい、という気持ちが交錯していました。39㎞地点にある登り坂で、満を持して仕掛けました。
 前述しましたが、登り坂だけは、マックスで漕いでも、全く痛みがなかったので、そこが勝負所だと思いました。
 そこで渡辺をほんの少し、引き離すことに成功しました。41㎞地点にある最後の折り返しで、渡辺との差を確認しました。ほとんどありませんでした・・・そこからは肋骨のこともあったので、マックスでは走らずギリギリの出力で走りました。
 最後、6秒差にまで迫られましたが、なんとか逃げ切ることができました。
 応援ありがとうございました。
 レース後も肋骨のほうは順調に快方に向かっています。刻々と変化する身体と向き合いながら、慎重にトレーニングを行いたいと思います。2019年最後のレースを、優勝という形で締めくくることができました。
 次レースは、1/24のドバイマラソンです。
 東京パラリンピックへ向けて、世界ランキングを上げる戦いがまだまだ続きます。
 今後も変わらぬご声援を宜しくお願いいたします。

シンガポールは赤道に近いので、一年を通して日の出が約7時、日の入りは約19時となっていますので、35㎞以降は暗闇でのレースでした。
左から、渡辺、洞ノ上、ジェイク
 

【リザルト 】

1 洞ノ上浩太 (1:36:23)
2 渡辺勝 (1:36:29)
3 Jake Lappin (1:40:04)
4 Rafael (1:40:04)
5 Simon (1:40:59)
6 Callam (1:46:37)
7 Joshua (1:47:34)
8 Byung (1:50:18)

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